こんにちは。みやっちょです。
前回は「ボルドーの5つの地区」と「ボルドー右岸・左岸とは」を学びました。
今日は前回の続き、ボルドー右岸のサン・テミリオンを勉強したいと思います。
サン・テミリオン・ポムロール・フロンサック地区を勉強します。
サン・テミリオン・ポムロール・フロンサック地区の主なA.O.C.
A.O.C.を見ていきましょう。この地区のA.O.C.は全部赤ワインのみです。
サン・テミリオン地区
Saint-Émilion サン・テミリオン 赤
Saint-Émilion Grand Cru サン・テミリオン・グラン・クリュ 赤
サン・テミリオン地区には格付けが存在します。しかし、A.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュでなければ、格付けに認められません。
A.O.C.サン・テミリオンとA.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュは地理的には同一の地域ですが規定が違うのです。
ブドウの天然アルコール度はA.O.C.サン・テミリオンが11%なのに対しA.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュは11.5%。収量はA.O.C.サン・テミリオンが53hℓ/haに対し、A.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュは46hℓ/haです。
46hℓ/ha というのは1ヘクタールの面積で46ヘクトリットル、つまり1ヘクタールで46,000リットルのブドウの収量という事です。
やたらにブドウ造っちゃダメですよ。決められた量を造ってくださいね。1ヘクタールに46,000リットル以上造ったらA.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュは名乗れませんよ!という事ですね。
さらにA.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュの場合、分析・官能検査を2回受けなければならないんです。
なるほど、それでやっと格付けに認められるスタートラインなのですね。
サン・テミリオン衛星地区
ここはざっとA.O.C.を紹介する感じで…
Saint-Georges Saint-Émilion サン・ジョルジュ・サン・テミリオン 赤
カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、コット、メルロー、プティ・ヴェルド主体の赤ワインのみのA.O.C.です。
Montagne Saint-Émilion モンターニュ・サン・テミリオン 赤
カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、コット、メルロー、プティ・ヴェルド主体の赤ワインのみのA.O.C.です。
Lussac Saint-Émilion リュサック・サン・テミリオン 赤
カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、コット、メルロー主体の赤ワインのみのA.O.C.です。
Puisseguin Saint-Émilion ピュイスガン・サン・テミリオン 赤
カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、コット、メルロー主体の赤ワインのみのA.O.C.です。
ポムロール地区
サン・テミリオンのような格付けは無いのですが、国際的に非常に高い評価を受けている産地です。
Pomerol ポムロール 赤
クラス・ド・フェールと呼ばれる鉄分を含んだ独特の土壌なので個性豊かなワインが生まれます。赤のみのA.O.C.です。
『Château Pétrus シャトー・ペトリュス』や『Le Pin ル・パン』などが有名ですね。
手の届く範囲のポムロールもたくさんあるのでネットで探してみてください。ちなみに2019年7月29日現在、エノテカホームページにて1982年のペトリュスが157万円(税抜)です。
税だけで125,600円。うわーお。
Lalande-de-Pomerol ラランド・ド・ポムロール 赤
可愛い名前のA.O.C.ですね。赤のみのA.O.C.です。
フロンサック地区
Fronsac フロンサック 赤
Canon Fronsac カノン・フロンサック 赤
どちらもカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー主体の赤ワインのみのA.O.C.です。
サン・テミリオンの格付け
A.O.C.サン・テミリオン・グラン・クリュを対象としたサン・テミリオンの格付けは10年に一度見直されます。
格付けは
Premiers Grands Crus Classés プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(AとB)
Grands Crus Classés グラン・クリュ・クラッセ
の2種類です。
2006年に最新の見直しが実施され、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセに15、グラン・クリュ・クラッセに57の生産者が認められました。この格付けは2011年まで有効となっています。
2012ヴィンテージから適用される新しい格付けは2012年10月29日付の省令で公認され、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセに18シャトー、グラン・クリュ・クラッセに64シャトーで合計82シャトーが認められました。
Premiers Grands Crus Classés プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)
まずは、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)を覚えましょう。
Château Ausone シャトー・オーゾンヌ
Château Cheval Blanc シャトー・シュヴァル・ブラン
Château Angélus シャトー・アンジュリス
Château Pavie シャトー・パヴィ
赤字のシャトーが重要です。2012ヴィンテージからプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)に加わったシャトーです。
Premiers Grands Crus Classés プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)
次に、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)ですが、14シャトーあります。ソムリエ・ワインエキスパート試験を受ける方は全部覚えましょう。覚えるというか、シャトー名を聞いてプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)だとわかれば良いと思います。
2012ヴィンテージから格付けされたのはどのシャトーか、というのも覚えておくと良いと思います。ここでは全14シャトーのうちその4つをあげておきます。
Château Canon la Gaffelière シャトー・カノン・ラ・ガフリエール
Château Larcis Ducasse シャトー・ラルシス・デュカス
La Mondotte ラ・モンドット
Château Valandraud シャトー・ヴァランドロー
Grands Crus Classés グラン・クリュ・クラッセ
グラン・クリュ・クラッセは64シャトーあります。さすがにここでは省略しますね。興味がある方は調べてみてください。グラン・クリュ・クラッセなら、自分のご褒美用にもプレゼント用にも手の届く範囲のワインもたくさんあります。
サン・テミリオン まとめ
少しマニアックな内容となりましたが、『hℓ/ha』は今後も役に立つと思いますよ。
サン・テミリオンやポムロールのワインをプレゼントする時にも参考にしてみてください。
カンパーイ
ではまた。