こんにちは。ソムリエ ブロガー みやっちょです。
近所のスーパーマーケットのお酒コーナーを見ると、ひと昔前よりはワインの売場は拡大されているのですが、「日本ワイン」が少ないんですよ。
バランスも悪いんです。「日本ワイン」が少ないのに「国内製造ワイン」は多すぎる。
あれだったら「国内製造ワイン」を減らして、モルドバとか南アフリカとかジョージアとかイギリスのスパークリングとか置けば良いのになぁ…と思いつつ、まぁ会社がワインにそれほど力を入れてないのと、知識が無いからメーカーの言いなりなんだろうなと想像出来ます。
なぜなら、スーパーマーケットで酒の仕入れ担当をしていた事もあったのでわかるんですよね。想像以上にみんなお酒に無関心なんですよ。特にワインに無関心なんですよ。チャンスの多い部門だとは思うのですが。スーパーマーケットで酒の仕入れを担当していた時の話もいつか書きますね。
今回やっと見つけたのが『GI Yamanashi』の表示がある「山梨甲州 2018」です。

今回購入した日本ワイン
今日は日本ワインの表示ルールを勉強したいと思います。
日本ワイン 表示ルール
2015年10月30日『果実酒等の製法品質表示基準』が国税庁によって定められました。(施行は2018年10月30日)
これによって、ワインのラベル表示を規定する法制度が整いました。
この法制度は『ワインのラベルの表示ルール』と呼ばれています。
国産ブドウのみを原料として、日本国内で製造された果実酒のみ「日本ワイン」であると定められました。
さらに、原料ブドウの産地や品種やその収穫年の表示にも規定が定められました。
日本ワイン 表ラベル
日本ワインの場合のみ「日本ワイン」という表記が可能となりました。書いても書かなくても良いと言うことですね。せっかくなら表記してもらった方が良いですよね。選びやすいですし。
地名、ブドウ品種、ブドウの収穫年も表記が出来ます。
これは覚えておくと良いですね。ブドウ品種や収穫年も「日本ワイン」でないと表記出来ません。
このワインはわかりやすいですね。
「日本ワイン」「山梨甲州」「2018」「甲州」全て表記してあります。

日本ワイン 表ラベル
反対に、海外原料を使用した場合には、地名、ブドウ品種、収穫年を表記出来ないだけではなく、「輸入濃縮果汁使用」や「輸入ワイン使用」などの旨を記すことが義務となっています。義務です。
日本ワイン 地名の表示ルール
「山梨甲州」と表示がありますが、地名が示す範囲内にブドウ収穫地(85%以上使用)と醸造地がある場合にワインの産地名が表示できます。
「甲州産ブドウ使用」のような表記はありませんが、もし記載する場合には、地名が示す範囲内にブドウ収穫地(85%以上使用)がある場合はブドウの収穫地名が表示できます。
ただ、山梨の場合は地理的表示の指定を受けているので「甲州産ブドウ使用」と表記するよりも『GI Yamanashi』の記載の方が重要ですね。
『GI』は日本における地理的表示制度の表示のひとつです。
地理的表示は、指定された産地内で造られたワインであっても、原料や製法、製品規格などの基準(生産基準)を満たしていないワインには表示することが出来ません。
地理的表示を使用する際は「地理的表示」「Geographical Indication」「GI」の文字を使用します。
個人的には「GI」一本に決めてしまえば良いのに!と思いますけど。

GI Yamanashi の表示
2019年現在、ぶどう酒の地理的表示の指定を受けているのは、山梨(2013年)と北海道(2018年)だけです。
日本ワイン ブドウ品種の表示ルール
単一品種を85%以上使用した場合は単一品種の表示をすることが出来ます。
カベルネ・ソーヴィニヨンを85%使用すればラベルに「カベルネ・ソーヴィニヨン」と記載出来るということですね。
2品種を表示する場合は、2品種合計で85%以上使用し、量の多い順に表示します。
カベルネ・ソーヴィニヨンを50%、メルローを35%使用していれば「カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー」と記載出来ます。「メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン」ではダメです。
3品種を表示する場合は、表示する品種を合計85%以上使用し、それぞれの品種の使用量の割合と併せて、使用量の多い順に表示します。
カベルネ・ソーヴィニヨンを40%、メルローを30%、プティ・ヴェルドを15%使用していれば「カベルネ・ソーヴィニヨン40%、メルロー30%、プティ・ヴェルド15%」と記載出来ます。さすがに3種類だと表ラベルには必要無い気もしますね。割合も書かなくてはいけないので。
日本ワイン ブドウの収穫年の表示ルール
同一収穫年のブドウを85%以上使用した場合に表記出来ます。
今回のワインは「2018」に収穫した「甲州」を85%以上使用したワインということです。
日本ワイン 裏ラベル
ワインの裏ラベルには、6つの表示義務があります。①日本ワイン ②品目 ③原材料名 ④製造者名 ⑤内容量 ⑥アルコール分 です。
表示する字の大きさは8ポイント(200ml以下の容器の場合は6ポイント)以上です。
裏ラベルの一括表示欄は基本的に枠で囲む必要があります。
今回のワインで見ていきましょう。

裏ラベルの表示
①日本ワイン 日本ワインの場合は表示する義務があります。義務なのですね。このワインにも日本ワインとバッチリ書いてありますね。
②品目 「果実酒」と表示があります。表ラベルに表示した場合は省略することが出来ます。
③原材料名:ぶどう(日本産)などの表示です。ぶどう(山梨県産)と表示があります。
④製造者名:マンズワイン株式会社 東京都港区… と記載されています。社名と住所ですね。
⑤内容量:750ml
⑥アルコール分:12%
全てキチンと記載がありますね。まぁ大手さんなので間違えないですよね。
日本ワイン 表示ルール まとめ
日本ワインの表示ルールについて勉強しました。
これでスーパーマーケットやワインショップに行っても迷わずに購入できますね。
ワインショップで買えるのは当たり前なのですが、せっかくの「日本ワイン」なのですからスーパーマーケットやコンビニエンスストアでもっともっと手軽に買えるようになると良いですね。頑張れ!日本ワイン!!
カンパーイ!
それではまた。