こんにちは。ソムリエ ブロガー みやっちょです。
インスタにも投稿しましたが、チリのロゼ・スパークリングを飲みました。
以前、購入したスパークリングワインセットの中の1本です。スパークリングワインセットの記事はこちらから。
チリのスパークリングワインは安くてわかりやすくて美味しいのでオススメです。
チリの赤ワインも白ワインもスパークリングワインも低価格でも品質が良くハズレがありませんね。
しかし現在、チリのワイン生産者は平凡なヴァラエタルワインから脱却し、付加価値のあるプレミアムワイン造りへと舵を切っています。
ヴァラエタルワインとはワインのラベルにブドウ品種名が表示されたワインの事です。
今回はチリの勉強と、近年、注目のブドウ品種『パイス』と『カリニャン』にスポットを当てたいと思います。時代に乗り遅れないためにも要チェックですよ。
チリ プロフィール
チリ プロフィール
チリは「3Wの国」と言われています。
Weather 素晴らしい天候
Women きれいな女性
Wine おいしいブドウ酒
という3つのWです。
チリは、南北が4,274km、東西は一番広いところで380km、狭いところは90kmの縦に細長い国です。
ブドウ栽培地域は、国土のちょうど中央部分、南緯27度から40度までの1,400kmに位置しています。
最北端の栽培地域は、南緯27度の D.O.コピアポ・ヴァレー
最南端の栽培地域は、南緯40度のD.O.オソルノ・ヴァレーでしたが、2016年6月にオソルノよりさらに南に位置するチロエ島にアルバリーニョなどが植栽されました。
チロエ島はまだD.O.認定されていませんが、チリ最南端のブドウ畑です。
アルゼンチンとの国境は6,000m級のアンデス山脈、西側は太平洋の海岸線です。南氷洋から北に向かって流れるフンボルト海流は冷たい寒流で、真夏でも海水浴が出来ません。
日本へのワイン輸入量
2017年の日本におけるチリワインの輸入量は2016年に続き第1位です。
2015年にフランスの輸入量を上回って以来、3年連続の第1位です。
ちなみに、日本における2017年の主要国別・ブドウ酒(2ℓ以下の容器入り)の輸入状況は
- チリ
- フランス
- イタリア
- スペイン
- オーストラリア
の順番です。
チリのクール・クライメイト
平凡なヴァラエタルワインから脱却しエレガントなワイン造りを目指したチリの生産者は冷涼な栽培環境(クール・クライメイト)を求め開拓していきました。
フンボルト海流側の『Costa コスタ』やアンデス山脈側の『Andes アンデス』がクールクライメイトとして注目を集めています。
コスタでは、ソーヴィニヨン・ブランをはじめ、シャルドネ、ピノ・ノワールなどの冷涼地に適したブドウ品種が主体となり栽培されていますが、独特の香味を持つ冷涼地シラーや冷涼地メルローも注目を浴びています。
2011年に従来の原産地呼称表記に付記する格好で二次的な産地表示が出来るようになりました。
「D.O.マイポ・アンデス」や「D.O.アコンカグア・コスタ」などの産地表示が出来るようになったということです。
近年チリではクール・クライメイトの枠をこえて、これ以上の条件ではブドウ栽培が出来ない、究極の栽培環境(エクストリーム・ウェザー、アルティメット・クライメイト)を求める栽培家も増えています。
『D.O.アコンカグア・コスタ』クール・クライメイトのシラーはこちらをチェック
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チリの主なブドウ品種
2016年、チリで栽培されるワイン用ブドウ品種は80種になりました。
チリの主なブドウ品種の栽培面積は
順位 | 品種名 | 面積(ha) |
1 | Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン | 42,408 |
2 | Sauvignon Blanc ソーヴィニヨン・ブラン | 14,999 |
3 | Merlot メルロ | 12,056 |
4 | Chardonnay シャルドネ | 11,434 |
5 | Carmenère カルメネール | 10,503 |
6 | Pais パイス | 9,684 |
7 | Syrah シラー | 7,994 |
8 | Pinot Noir ピノ・ノワール | 4,090 |
9 | Malbec マルベック | 2,292 |
10 | Carignan カリニャン | 811 |
です。
カベルネ・ソーヴィニヨンが全体の30%を占めています。
今回、取り上げるブドウ品種は6位のパイスと10位のカリニャンです。
パイス
パイスのシノニム(別名)のひとつは、スペインのカスティーリャ・ラ・マンチャ州のListán Prieto リスタン・プリエトです。
リスタン・プリエトはフィロキセラ被害によりスペインからはほぼ消失しましたが、16〜17世紀にスペインから持ち出され、異なる地域で異なる名前で栽培されていることがDNA解析によって発見されました。その一つがチリのパイスなんですね。
チリではパイスの栽培面積が減少していましたが、ルイ=アントワーヌ・リュイット氏をはじめ、いくつかのワイナリーがパイスの再評価に取り組み、その結果、素晴らしいスパークリングワインや軽快な赤ワインが誕生しています。
パイスを使用したスパークリングワイン・赤ワインはこちらをチェック
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カリニャン VIGNO
2009年11月に12ワイナリーが『VIGNO ヴィーニョ』を結成しラベルに共通のロゴマーク『VIGNO』を表示して販売したのがきっかけで、カリニャンを使用したワインが話題になっています。
2017年12月末現在、VIGNOは15ワイナリーに増加しています。
価格の割に高品質なワインが多くコストパフォーマンスが高いです。迷ったら『VIGNO』のロゴを探してみてください。
私もエノテカで購入したものが2本あったのですが、どちらも写真を撮り忘れて飲み干していたようで、いくら探しても写真が出てきません。ごめんなさい。
カリニャンのシノニムのひとつはMazueloマスエロです。スペイン北東部のアラゴン由来の品種だと考えられています。
また近年、カリニャンはイタリア・サルデーニャ島のBovale di Spagnaバヴォーレ・ディ・スパーニャと同じ品種であることが明らかになりました。
VIGNOの製造基準
VIGNOの製造基準は、D.O.マウレ・ヴァレーのカリニャンを65%以上使用したワインであること。
- 樹齢30年以上のブドウを使用すること
- 灌漑をしていない(ドライ・ファーミング)畑で株仕立て(エンバソ)であること
- マウレ・ヴァレー(カウケネス、メロサル、サウサル、ロンコミージャ)のブドウであること
- 木、セメント、アンフォラ、ガラスの容器で24ヶ月以上熟成したもの
が必要条件です。
VIGNOのワインはこちらをチェック
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おすすめチリワイン まとめ
ひと昔前はただただ安くて美味しいワインとして有名だったチリワインですが、チリの生産者はクール・クライメイトを求め、さらにアルティメット・クライメイトを求め、プレミアムワインへのシフトを進めています。
さらにパイスやカリニャンといったブドウ品種を使用した興味深いワインを産み出しています。
今後もチリワインから目が離せませんね。
パイスとカリニャンにカンパーイ!
ではまた。