こんにちは。ソムリエ ブロガー みやっちょです。

パリスの審判とはワインの歴史を塗り替えた事件で
1976年にカリフォルニア・ワインとフランス・ワインをブラインド・テイスティングで対決させました。
誰もがフランス・ワインの圧倒的勝利だと思われていたのに反して、カリフォルニア・ワインが勝利した。
という話です。
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【カリフォルニア・ワインの奇跡】パリスの審判を知るための4つの方法
「パリスの審判」から10年後の1986年に、当時のワインを熟成させた「パリ試飲会10周年記念」の試飲対決が行われました。
はたして、熟成させたフランスワインと、熟成させたカリフォルニアワインの試飲対決はどうだったのでしょう??
- パリスの審判 から10年後に勝利したワインはどんなワインだったのか知りたい
- パリ試飲会10周年記念 で勝利したワインが現在購入出来るのか知りたい
- ドラマチックなカリフォルニアワインを探している
という方におすすめの記事です。
パリスの審判の10年後に行われたリターンマッチで注目を浴びたカリフォルニアワインを3本紹介します。

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【パリ テイスティング事件】ワインの歴史を変えた「パリスの審判」まとめ
【パリスの審判】リターンマッチで注目のカリフォルニアワイン とは
【パリスの審判】リターンマッチ 2つの対決とは
1976年のパリ試飲会から10年後の1986年。
パリ試飲会10周年記念として2つの試飲対決がありました。
ひとつは、今でも有名なアメリカのワイン雑誌「ワイン・スペクテーター」企画の試飲対決です。
もうひとつは、ニューヨークのフランス料理会開催での試飲対決です。
シャルドネ(白ワイン)の対決は、飲み頃のピークを過ぎているという理由で、どちらの対決でも取り上げられませんでした。
どちらの試飲対決もカベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)限定での試飲対決になりました。
【パリスの審判】リターンマッチ ワイン・スペクテーター 概要
「ワイン・スペクテーター」での試飲対決の審査員は全員アメリカ人でした。
ワイン・スペクテーター誌のスタッフ4人と外部の2人、合計6人で行われました。
1976年のパリ試飲会では20点制の採点方式でしたが、この試飲会では、ワイン・スペクテーター方式の100点の採点方式をとりました。
ワイン・スペクテーター方式の得点については、「ボルドー・プリムール」の記事で少し触れています。
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はじめての ボルドー プリムール『シャトー・デュ・テルトル』
試飲の結果は「ワイン・スペクテーター 1986年4月1日〜15日号」に掲載されました。
【パリスの審判】リターンマッチ ワイン・スペクテーター 順位
今回の順位 | ワイン名 | 国名 | 1976年順位 |
1 | ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970 | カリフォルニア | 9位 |
2 | マヤカマス 1971 | カリフォルニア | 7位 |
3 | リッジ・モンテ・ベロ 1971 | カリフォルニア | 5位 |
4 | スタッグス・リープ 1973 | カリフォルニア | 1位 |
5 | クロ・デュ・ヴァル 1972 | カリフォルニア | 8位 |
6 | モンローズ 1970 | フランス | 4位 |
7 | ムートン・ロートシルト 1970 | フランス | 2位 |
8 | レオヴィル・ラス・カーズ 1971 | フランス | 6位 |
9 | フリーマーク・アベイ 1969 | カリフォルニア | 10位 |
10 | オー・ブリオン 1970 | フランス | 3位 |
1位から5位までカリフォルニアワインが占めるという驚きの結果になりました。
あの有名な高級フランスワイン「オー・ブリオン」がまさかの10位です。
1位は、1976年のパリ試飲会「パリスの審判」では9位だったワイン「ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード」でした。

2位だったワインは
1976年のパリ試飲会「パリスの審判」では7位だったワイン「マヤカマス」が2位になりました。
ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード も マヤカマス も「あの オー・ブリオン に勝ったことのあるワインだよ!」と言えば、いざと言う時のプレゼントやお祝いのワインとしては最適ですね。
【パリスの審判】リターンマッチ フランス料理協会開催 概要
1986年9月には、ニューヨークのフランス料理協会開催の10周年記念対決が行われました。
1976年のパリ試飲会の主催者である、スパリュアもこの試飲対決の手伝いをしました。
ワイン・スペクテーターの試飲対決と同様に、カベルネ・ソーヴィニヨン(赤ワイン)限定の試飲対決です。
フリーマーク・アベイは不参加。
オー・ブリオンは協力を拒絶したので、スパリュアがワインショップで購入したオー・ブリオンを使用しました。
審査員は8人のアメリカ人で行われました。
一時間前にデカンタージュしたワインをテイスティングしました。
【パリスの審判】リターンマッチ フランス料理協会開催 順位
今回の順位 | ワイン名 | 国名 | 1976年順位 |
1 | クロ・デュ・ヴァル 1972 | カリフォルニア | 8位 |
2 | リッジ・モンテ・ベロ 1971 | フランス | 5位 |
3 | モンローズ 1970 | フランス | 4位 |
4 | レオヴィル・ラス・カーズ 1971 | フランス | 6位 |
5 | ムートン・ロートシルト 1970 | フランス | 2位 |
6 | スタッグス・リープ 1973 | カリフォルニア | 1位 |
7 | ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970 | カリフォルニア | 9位 |
8 | マヤカマス 1971 | カリフォルニア | 7位 |
9 | オー・ブリオン 1970 | フランス | 3位 |
ワイン・スペクテーターの順位とはまた全然違うのが興味深いですね。
2位〜4位 まではフランスワインが占めたものの、またしても1位はカリフォルニアのワインでした。
1位になったワインは、1976年のパリ試飲会では8位だったワイン「クロ・デュ・ヴァル」でした。
「クロ・デュ・ヴァル」は、お酒の漫画「BARレモン・ハート」の「パリスの審判」の記事でも紹介しました。
BARレモン・ハートのマスターが、常連客である松ちゃんに「飲むとぶったまげるようなワイン」として選んだワインが「クロ・デュ・ヴァル カベルネ・ソーヴィニヨン」でした。
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【パリスの審判】BARレモンハートに登場したカリフォルニアワインとは
【パリスの審判】リターンマッチで注目のカリフォルニアワイン まとめ
ワインスペクテーターの企画では、1976年には9位だったハイツ・マーサズ・ヴィンヤードが1位に、7位だったマヤカマスが2位になりました。
1位から5位までがカリフォルニアワインが占めるという結果になりました。
フランス料理協会開催の企画では、2位から4位まではフランスワインが占めるものの、1位には1976年には8位だったクロ・デュ・ヴァルが選ばれました。
1976年のスパリュアの試飲は騙し討ちであり、結果は誤審とフランス人は反論してきたが、10周年試飲会やそれ以降、この反論は力を失った。カリフォルニア・ワインも、熟成することが証明されたのだ。
『パリスの審判』より引用
フランスワインに勝利したことのあるカリフォルニアワイン。
ぜひ、プレゼントやお祝いに購入してみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
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【パリ テイスティング事件】ワインの歴史を変えた「パリスの審判」まとめ