こんにちは。ソムリエ ブロガー みやっちょです。

「ワイン テイスティング バイブル」は、
2010年 第6回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
2010年 第13回世界最優秀ソムリエコンクール日本代表
2016年 平成28年度 卓越した技能者(現代の名工)選出
の、谷 宣英さんの書いたワインのテイスティング本です。
2014年7月にナツメ社より発行されました。
「ワイン テイスティング バイブル」を買おうか迷っている方に、どんな内容なのかを紹介していきます。
【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 内容
【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 概要
ワイン テイスティング バイブルは大きく分けて
- 技術の基本 〜テイスティング術を身に付ける
- ワインの基礎知識 〜判断基準の幅を広げる
- テイスティングの実践 〜コメントの表現力を高める
の3章。
そして、別冊の「テイスティングシート&テイスティング用語集」から構成されています。
各章を紹介します。
【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 第1章
1章は「テイスティング術を身に付ける 技術の基本」の章です。
4つのステップに分かれています。
- STEP1 外観を見る
- STEP2 香りをとる
- STEP3 味わいをとらえる
- STEP4 特徴を判断する
です。
STEP1 では、外観の確認要素「清澄度、輝き」「色調」「色の濃淡」「粘性」「泡立ち」についての解説と、外観の表現・用語リストが掲載されています。
STEP2では、香りの確認要素「健全度」「豊かさや量」「第一印象」「第1、第2、第3アロマ確認」「熟成度」「複雑性」の解説と、香りの表現・用語リスト、香りの分類と特徴、の解説があります。
香りの分類と特徴では、例えば「カシス、黒スグリ」の解説では、
赤ワイン全般に使われる表現。この香りを起点に品種の個性を考慮することで、熟度の違いが測れる。例えば、本来「イチゴ」の香りを持つガメイに、熟度の高い「カシス」の香りを感じたら、よい年のワインなどと推測ができる。
「ワイン テイスティング バイブル」より引用
といった感じです。
STEP3では、味わいの確認要素「アタック(第一印象)」「甘辛度」「酸味」「タンニン、収斂性」「苦味」「フレーヴァー」「余韻」「アルコール」「凝縮度」「総合印象」の解説があり、味わいの表現・用語リストが掲載されています。
STEP4では、ワインの個性を判断する手順から始まり、サービス方法を判断するでは、提供温度や、グラスの種類、合わせる料理などの解説です。
【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 第2章
第2章は「判断基準の幅を広げる ワインの基礎知識」の章です。
- STEP1 ブドウ品種の特徴を知る
- STEP2 産地の特徴を知る
- STEP3 造りによる特徴を知る
- STEP4 熟成による特徴を知る
の4つのステップに分かれています。
STEP1 では、白ブドウ品種20種と黒ブドウ品種20種、合計40種のブドウ品種の解説です。

例えば、「グルナッシュ」の味わいの基本用語として
果実味、アルコールが強く酸味が少ないため、丸い印象に感じられる。
「ワイン テイスティング バイブル」より引用
とあります。
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グルナッシュ?ガルナッチャ??グルナッシュの特徴とは【エヴォディア】
STEP2では、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、オーストリア、アメリカ、チリ/アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、日本、の各産地別の解説があります。
フランスに大きくページが割かれています。
STEP3 では、赤ワインの造り方、白ワインの造り方、ロゼワインの造り方、スパークリングワインの造り方がイラスト付きで解説されています。
醸造テクニックとワインの特徴では、「除梗無し」や「マセラシオンカルボニック」や「マロラクティック発酵」などの解説と、そのワインの特徴の解説もあります。
例えば「プレファーメンテーション・コールド・マセラシオン」のワインの特徴としては
- 色が濃くなる
- 甘いフルーツの香りが強くなる
- 味わい的にも果実味が強くなる
「ワイン テイスティング バイブル」より引用
というような解説がついています。
STEP3 で興味深い内容は「容器による影響」の箇所で、容器の素材による違いとして、ステンレスタンク、コンクリートタンク、木樽の解説があり、木樽の大きさによる違いや、木樽の素材・ロースト具合による違い、などの解説もあります。
例えば、フレンチオークの解説として
香気成分「ヴァニリン」を多く含むため、ワインも穏やかなヴァニラの香りを帯びる。また、アメリカンオークよりタンニンが多く、骨格の強いワインに仕上がる。
「ワイン テイスティング バイブル」より引用

STEP4 では熟成による特徴について「ヴィンテージの考え方」「産地からの情報を読み解く」という解説があります。
【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 第3章
第3章は「コメントの表現力を高める テイスティングの実践」の章です。
テイスティングの練習方法の解説があり、最後に3つのテーマに沿った131本の比較テイスティングの実例が掲載されています。
テイスティングのテーマは3つ
- 品種の違いを飲み比べる
- 造りの違いを飲み比べる
- その他の違いを飲み比べる
です。
「品種の違いを飲み比べる」は、読んで字のごとく、シャルドネやリースリング、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種ごとのテイスティングです。
「造りの違いを飲み比べる」では、
- スパークリング・ワイン
- 甘口ワイン
- フォーティファイド・ワイン
- ロゼワイン
- 醸造方法、テクニックの違い
のテイスティングです。
例えば、スパークリング・ワインのテイスティングでは、ブラン・ド・ブランのシャンパーニュやブラン・ド・ノワールのシャンパーニュやシャルマ方式のスパークリング・ワインのテイスティングコメントが載っています。
醸造方法、テクニックの違いのテイスティングでは、除梗無しや除梗あり、マセラシオン・カルボニックありとマセラシオン・カルボニック無し、大樽熟成と小樽熟成、などのテイスティングコメントが載っています。
「その他の違いを飲み比べる」では
- ヴィンテージ、熟成の違い
- 土壌の違い
- テロワールの違い
- 価格帯の違い
のテイスティングです。
テロワールの違いでは、ブルゴーニュ地方の格付けの比較テイスティングです。ジュヴレ・シャンベルタンの比較テイスティングです。
レジョナル、コミュナル、プルミエ・クリュ、グラン・クリュのテイスティングコメントが載っています。
価格帯の違いでは、ボルドーの同一シャトーの比較テイスティングとして、メドック格付け2級のシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンと、セカンドのレ・トゥーレル・ド・ロングヴィルのテイスティングコメントが掲載されています。

【おすすめワイン本】ワイン テイスティング バイブル 内容 まとめ
「ワイン テイスティング バイブル」の内容を紹介しましたが、いかがでしたか?
ざっと書いてきた内容から見ても感じ取れると思いますが、ある程度ワインを勉強してきた方が手に取るテイスティング本という感じでしょうか?
オールカラーで写真やイラストをふんだんに使用した読みやすい本にはなっていますが、内容は濃すぎるほど濃いと思います。
とは言え、ワイン好きなら絶対に手元に置いておきたい本です。
マストバイです!
ワインを学ぶと、より美味しく楽しく飲む事ができますからね。
それでは、また。